- Date: Sun 03 05, 2015
- Category: 文芸部日誌
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詩と小説、どっちがいいの??

みなさんどうも!ノーマッドです!
これまでの活動で星の王子さま「読書会」、詩と小説を読む「合評会」をしましたが、いかがでしたでしょうか?
なかなか精読や、他人の作品を読み解く経験というのは文芸部でしか感じることのできない体験ですので、
刺激的だったのではないでしょうか?
人によってジャンルも文体も表現も千差万別ですからなぁほっほっほっ。
個人的には、よく質問に上がっていた、
『小説の書き方を教えて!』というのがなかなか印象でしたね。そのうち私の記事でも取り上げるつもりですので
お楽しみに!すぐ何かきっかけがほしい人はこのひとつ前の記事を読んだらいいよ!うん!
さて、前置きが長くなりましたが、今回の記事は
『詩と小説、どちらがいいか』でございます!

「俺は小説がやりたいんだ!」「せっかくの大学デビュー、詩を試してみたい」
「そもそも文学とは(哲学し始める)」「両方やります(真顔)」などなどなど、
我が大学一年だった時にも、悩んでいる方はけっこういらっしゃいました!
この記事はそんな方々に向けて
詩と小説、どちらが向いているのかではなく、どちらをやってみたいか
の一助になれば幸いです。
ということで詩、小説を書いている部員たちにインタビューをしてきました!
小説or詩とはなんぞや……?といったことにもあえて踏み込んでみたので、これを見て好みの
先輩や自分のベクトルを模索してみてください!
ではどうぞ↓↓↓(イニシャルは本人とは異なっています)
〈詩班〉
☆文芸部員A
・詩とはなんですか?(どんなものが詩と呼べるのか)
詩は、小説が「客観的な文学」であるのに対し、「主観的な文学」であるとよく言われる。
小説では、自分が伝えようと思ったことのために、世界観、舞台、展開、各々のキャラクター等といった、言わば「虚構」のパーツを創り揃え、それを組み合わせることが必要となる。
詩はもっと単純だ。「思ったことをそのように、感じたことをそのように」書けばいい、難しいようで、案外簡単だ。「詩人は現実の中に夢を見て、それを書けば良い」と萩原朔太郎は言ったし、「詩は俳句短歌よりゆっくりしたもののあわれだ」と中原中也は言った。
まとめてしまえば 「現実と幻想の錯覚」が詩といえるのかもしれない。詩人の妄想は現実の世界の中に見る主観的な幻想であり、言葉たちを使ってそれを書き現わしたのが詩といえるのだろう。
真っ暗な夜を深海を深海みたいと思ったら、そう書けばいい。感じた悲しみが吹雪のようだと思ったら、そう書けばいい。
詩は、そのままでいい。無理に作る必要は、むしろない。
・詩の種類にはどんなのがありますか?
一般的には「叙情詩、叙事詩、叙景詩」や「定型詩、自由詩」というふうな分け方がある。しかし文芸部では「恋愛詩か、テーマ詩」くらいの別れ方をしているように思う。人の色恋沙汰をドラマチックに書く「恋愛詩」と、人の感情や思想を芸術的に書く「テーマ詩」という感じだ。一般的な分け方ではないが、比較的わかりやすく、通りの良い分け方ではないだろうか。
・詩の魅力とはなんですか?
上記したように、詩は書きたいことを書きたいように書くことができるので、その点手続きが面倒くさい小説よりも圧倒的に自由だ。
そう、詩は自由なのだ。
また、展示会などで見てもらえるのは、圧倒的に詩のほうが有利だ。なぜなら、ふらっと立ち寄った人なんかは、いちいち小説は読まない。が、壁に飾ってある詩をふっと目に止めることはある。
良くも悪くも、書くにも読むにも、詩は手軽さが魅力の一部と言える。
・どんな人に詩は向いていますか?
面倒臭がりである。あるいは、嘘をつくのが怠い人である。
小説は、嘘を塗り固めていく行為である。したがって、完璧な嘘をつかなければならない。対して、詩は嘘をつく必要がない。
また、詩は非常に場面的だ。絵画的であり、写真的でもある。そういうものを好む人は、詩のほうが向いてるといえるのだろう。
他には、日頃からメモを取る人は是非とも詩をかくべきだ。詩は場面的であるが故に、瞬間的だ。後になって、あの時感動したことを書こうとしても、なかなか上手くはいかない。「メモがあれば……」と思ってしまう。メモを取る癖がある人は、後になってもその時の輝きの記憶を取り戻せる。
・どんな過程で詩の世界に入ったのですか?
小説が書けなかったからです、実際単純。
まぁそれだけではなく、『悪の華』を読んだんですね、大学に入って初めて。
感動しました。ボードレールの憂鬱が、私の憂鬱と一致したのです。小説には珍しい現象でしょう。詩は主観的な芸術であるが故に、むき出しの感情の刃です。それだけに、詩は読む人の心に深く付き刺さるのでしょう。
そして初めての詩の活動の時、先輩に私の書いた詩を見せました。「君詩班に入りなよ!」と言われて、私は詩人になりました。
あの時の先輩には今でも感謝しています。
・どんな種類or作家の詩が好きですか?
ボードレール『悪の華』は我が聖書です。日本人では、中原中也や萩原朔太郎。有名どころですが、有名なだけはありますね。
病的なものとか、暗いものとか、そういうのが好きですね。
・詩の初心者には、どんな詩集や作家に手を出すのがいいでしょうか??
現代作家か、あるいは教科書に載ってるような詩人が良いでしょう。中也や朔太郎を初め、山村暮鳥(やまむら ぼちょう) や与謝野晶子、現代作家でいうと、谷川俊太郎や吉野弘なんかをオススメします。
現代作家は書いている時の感覚も当然現代的な感覚で書いているので、当然理解しやすいわけです。
・これからの新入生にひとことお願いいたします!
詩は小説よりもとっつきにくいイメージかもしれませんが、そんなことはありません。
むしろ、とっつきやすく、また、簡単には極められないのが詩ではないかと。
また、詩は自由です。何を、どう書いても、失敗というものがないのです。
やってみてください、それしか言えません。やってみれば気づくんです、ああ、詩を書くって面白いな、と。
詩班、募集しております!!
☆文芸部Bさん
・詩とはなんですか?
僕にとっては、作者の内面を映す鏡だと思ってます。
詩の魅力とはなんですか?
少ない文章量で中身の濃い表現ができること が魅力です。
・どんな人に向いていますか?
自分を表現できる人ですね。
文芸部では、恋愛詩、自分の内面を書いている詩、情景を書いている詩に分けれると思います。
・どんな過程で詩の世界に入ったのですか?
詩の創作会の時に実際に書いてみて楽しかったのがきっかけです。
・どんな種類or作家の詩が好きですか?
海外の作家、私個人といたしましては、特にゲーテが好きです。
・詩の初心者には、どんな詩集や作家に手を出すのがいいでしょうか??
初心者におすすめなのは国内の作家でしょうか。どれでも手を出すべきです。
・これからの新入生にひとことお願いいたします!
詩を書くのは楽しいぞ!おいで!
詩は短い言葉で自分を表現する、より自己表現できるモノなのに、詩班絶滅の危機なんですよ……
みなさんにこれから詩の面白さを知っていただけるよう頑張りますので、ぜひ詩班をよろしくお願いしてます!
お待ちしてます!!
〈小説班〉
☆文芸部Cさん
・小説とはなんですか?(どんなものが小説と呼べるのか)
小説と呼べるものは何か、と考えたことはあまりありませんね。というか、最近の世の中では小説はどんなものかと枠組みをすることすら難しいかと存じます。ライトノベルは勿論のこと、ケータイ小説、某巨大掲示板でよく見かける『SS』(ショートストーリー/サイドストーリー)だったり、ビジュアルノベルやサウンドノベル、ゲームノベルも存在します。
文学は今や紙の上を飛び出して、様々な可能性と融合する時代です。強いて要点を挙げるならば、『読み物』であることぐらいにしかその特徴を求められないと考えます。
・小説の種類にはどんなのがありますか?
上記では媒体について言及しましたが、こちらはジャンルということで。
基本的な枠組みは『純文学』か『大衆文学』かというところにあるかと。
キャッチーな方向に作品作りを研鑽させたものを大衆文学、極力度外視してテーマを追う形のものが純文学である
と考えます。
そして、『大衆文学』から分化するように、様々なテーマ別のジャンルが出て参ります。
SFもの、恋愛もの、冒険もの、怪奇もの、宗教ものに青春ものと……枚挙に暇がありません。人の憧れの数だけ、或いは人の文化というビッグデータの数だけ大衆小説は生まれ得ます。
後はそれを、『どんな層を狙ったものか?』という基準で分ければ、大体の小説は区別することができますね。
・小説の魅力とはなんですか?
読む側としても、書く側としても、『文化』を感じることができることにあります。小説ほど、手軽に重厚な『作家の遺伝子』を受け取る手段はありません。
一冊の読書体験が、執筆体験が、誰かの一生を変えていく。
そんな喜びに病みつきになってしまうとやめられませんね、小説は。
・どんな人に小説は向いていますか?
向く、向かないのは誰でも同様です。誰にでも蛇蝎の如く憎むジャンルはあるでしょうし、作者を生き別れの兄弟と思えるほどに好きな作品があるでしょう。問題は、『読んでほしい人に読んでもらえるか』ぐらいですかね。
・どんな過程で小説の世界に入ったのですか?
高校一年生の頃、鬱屈した感情の発露として、携帯電話(当時はまだメール機能を使っていました)で思いつくままに書いたのが始まりですね。全くのオリジナルで、自分と同じく高校生の男子が色んなIFの世界を旅するものでした。思えば、完全に自分用でしかない作品でありました。監獄島に幽閉され、自身の体が刑として機械化されていくとか、キッチュな展開も多かったですけれど……現存はしてません。
その後、執筆に抵抗を感じなくなってからは二次創作に手も出しました。当時全盛期に入った東方projectでしたね。某投稿掲示板に投下した際に『荒削りですが、とても綺麗な作品と思いました』『気持ちが晴れやかになりました』なんてコメントがついたのが凄く嬉しかったものです。そこからは、もう滅茶苦茶に書き続け……今に至ります。
・どんな種類or作家の小説が好きですか?
そうそう決め打ちはしないタチですが、例外として伊藤計畫御大の作品は贔屓しています。ゼロ年代の伝説と謳われた方で、僅か数作だけの発表となったのが悔やまれますね。初めは『メタルギアソリッド ガンズオブザパトリオット』を読み、『虐殺器官』、『ハーモニー』、『屍者の帝国』と……長編は全て揃えてしまいました。私が書くにあたって大事にしている「伝えたいこと」や、「既存テーゼへの警鐘」などは殆どこの方の流儀に影響されたと思います。
・小説の初心者には、どんな小説や作家に手を出すのがいいでしょうか??
オタク文化が席巻する日本に生きている以上、何かしらの『読み物』に触れたことは必ずあるはずです。漫画も結構。アニメも結構。或いはゲームもドラマも映画でも。
先ずは自分の好きなコンテンツにゆかりのある小説から入るのがいちばん だと思います。
「この○○のノベライズが……」「この挿絵はどこかで……」などで選ぶのは、案外多くの本好きが通る道です。楽しんで読みたいですよね。
・これからの新入生にひとことお願いいたします!
楽しみましょう、真剣に。
真面目に不真面目が、創作物と付き合うコツです。
文芸は、貴方のこれからを劇的に変えるでしょう!
☆文芸部Dさん
・小説とはなんですか?
小説の歴史を漁れば、まずそれは印刷技術の発達によって発達したという経緯がある。これによって室内で楽しめるようになった。小説とは、作者・読者一対一の誰にも密やかな関係のこと。
また、小説は(文章は)筆者の思考を以て描かれるため、そこには本質的ーー身体的技巧など存在せず、すべて考え抜かれた考えの結晶をおいてしか存在し得ない。小説は少なからずそういうものだ。
・小説の種類にはどんなのがありますか?
大きく、極端に分別して言えば、文学作品と娯楽作品とライトノベル。
・小説の魅力とはなんですか?
読書即創作であるところ。また、物書きとしての観点から、小説ほど機材と才能の要らない創作は他に無い。
・どんな人に向いていますか?
頭が膨れた人。
・どんな過程で小説の世界に入ったのですか?
追いやられた。
・どんな種類or作家の小説が好きですか?
象徴主義的作品(童話も入れる)
・小説の初心者には、どんな小説や作家に手を出すのがいいでしょうか??
そうですね。読み慣れてない人は文庫のあらすじに手を出したらいい でしょう。
というのも、下調べすれば個人に合ったテーマなり要素なりをもった小説はいくらでもある。
本屋それ自体がオススメの本だと言える。
・これからの新入生にひとことお願いいたします!
楽しみたいなら「文芸をいかに楽しくやるか」をモットーとせよ。
☆文芸部Eさん
・小説とはなんですか?
第一にまず人に最後まで読まれること。そして面白かったとか、何かしらを読んだ人間に残せるものだと思います。
・小説の種類にはどんなのがありますか?
計算されて書かれているものとそうでないもの
・小説の魅力とはなんですか?
自分が小説という世界の神(笑)になれること。
また、読むことで現実ではありえない世界や、自分では経験できない世界のことを知れる、擬似的だが体験できること。
・どんな人に向いていますか?
自分の中に独特の世界がある人。
もしくは今までたくさん、小説を読んできた人。
・どんな過程で小説の世界に入ったのですか?
地元がかなりの田舎で、近くにあまり近い年代の子供がいなくて・・・・・。しかも親を共働きで、家に帰ると一人でいる時間が長かったんですよ。その結果、両親や祖父が私のために大量の絵本や児童書を買ってきて、それらを読んでるうちに、あぁ自分もこんなふうにお話がかけたらいいなぁと思って書き始めたのがきっかけです。多分小学校くらい。
・どんな種類or作家の小説が好きですか?
長野まゆみ、谷崎潤一郎、宮沢賢治みたいな、言葉一つ一つの選び方や装飾の仕方が綺麗な作家さんが特に好きです。
あとは江戸川乱歩とか、アングラな感じ(?)の作家さんも好きです。
・小説の初心者には、どんな小説や作家に手を出すのがいいでしょうか?
一概には言えませんが、自分が興味を持っているモノが題材になっている作品が良いと思います。
歴史が好きなら『しゃばけ』・・・・・みたいな。
本をあまり読んだことのない人が、いきなり純文学というのは結構苦しい物があるのではと考えています。
本を苦しんで読んだって、個人的に意味はないと思っているので、初めは読み易い大衆文学が良いかと!!
もしくは高校時代までの国語の教科書に乗っている作品なんかもオススメですね。そういうのは純文学でありながら、比較的に本を読みなれていない人でも読み易い物が大半なので、そこから始めてもいいかもしれませんね。
・これからの新入生にひとことお願いいたします!
これからの大学生活、楽しいことがいっぱいあります。楽しいことが多過ぎて、一年間なんて過ぎるのもあっというまです。
私も気がついたら三年生になってました(笑
おそらく人生で一番、自由に過ごせるのはこの大学生活の間です。
そんな一生に一度しかない四年間、私達文芸部が少しでもあなたの『楽しい』を増やせたらいいなぁと思います乁( ˙ ω˙乁)
☆文芸部Fさん
・小説とはなんですか?
僕にとっては手段ですね。暇つぶしに現実逃避、自分の考えを知ってもらうという。
・小説の種類にはどんなのがありますか?
青春やったりSFやったりファンタジーやったり色々ありますね。
・小説の魅力とはなんですか?
魅力的なストーリーやキャラクターに出会える というのは当たり前だけど、作者・他人の考えに触れられる事ですかね。
・どんな人に向いていますか?
思ったことなんでも言いたいのに、言う相手がいなかったりする人向け…かな、と思います。
・どんな過程で小説の世界に入ったのですか?
そこに小説があったからというのが本音です。
部屋に小説が偶然あって、それをたまたま読んだんです。感銘を受けましたね、それから本を読み始めました。その時と同じ感覚を味わいたくて、要するに運命的な出会いをしたんです。伊坂幸太郎の「魔王」です。
・どんな種類or作家の小説が好きですか?
太宰や芥川などの純文学作家はもちろん、最近流行りの伊坂や森見登美彦が好きです。
・小説の初心者には、どんな小説や作家に手を出すのがいいでしょうか??
とりあえず読みやすい大衆文学と言われている作品とかを読むのがよろしいのではないかと思います。
・これからの新入生にひとことお願いいたします!
努力して小説を好きになった方がいいですよ。
・Fさん好みの小説
「高野聖」泉鏡花
エロ親父が魔法で動物にされるというものですが何気に面白いです。
「偸盗」芥川龍之介
人間の複雑な心理が面白い。
「人間失格」太宰治
太宰の自伝的作品で、独特で重い作品であるのに、引き寄せられるように読んでしまいます。
「砂漠 」「魔王 」伊坂幸太郎
「四畳半神話体系」森見登美彦
ふぅ。
もしここまで読んでくれた方がいらっしゃいましたら、ありがとうございます。
みんなそれぞれ持論をもってまして、今回はいろんな方にインタビューさせていただきました。
この場を借りて、改めてお礼を申し上げます。
文芸部に入ってとまどった人も多いかもですが、自分に合った先輩や考えを持つ人について行って作品を
作っていけば、4年間で自分なりの傑作はきっとかけるだろうと思います!
いっしょに文芸を楽しみましょう∩(≧∇≦)∩ !
では、毎度のごとく無駄に熱い(長い?)記事でした!
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